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2006年4月18日 (火)

1986年の女性作家たち(番外編)

前回リストを書いたが、少年誌や青年誌にもけっこう女性作家の名前が書かれているので、追加として記す。

少年サンデー:あだち充、高橋留美子、吉田聡、小山ゆう、村上もとか、上條敦士、島本和彦、石渡治
増刊少年サンデー:中津賢也、鈴宮和由、真鍋譲治、みず谷なおき、天獅子悦也
マガジンSpecial:大和田夏希、菊池としお、堀内真人、河合単
コミックトム:横山光輝、みなもと太郎、坂口尚、倉多江美
ビッグコミックスピリッツ:花咲アキラ、高橋留美子、山本直樹、楳図かずお、岩重孝、池上遼一、石坂啓、聖日出夫
ヤングマガジン:きうちかずひろ、大友克洋、片山まさゆき、小林じんこ、弘兼憲史、小林まこと
スーパーアクション:諸星大二郎、星野之宣、花輪和一、藤原カムイ、板橋しゅうほう、原律子、とりみき
アクションキャラクター:柳沢きみお、かわぐちかいじ、木村えいじ、柴門ふみ、はやせ淳、国友やすゆき
ヤングジャンプ:弓月光、コンタロウ、高見まこ、野辺利雄、佐藤智一、春日光広、萩野真(←誤字)
コミックMAGAZINE:川崎三枝子、新岡勲、緒方恭二、横山まさみち、たがわ靖之
リイドコミック:さいとうたかを、みやわき心太郎、ありま猛、セツコ山田中田雅喜、土山しげる
WINGS:藤原カムイ、とみながはるみ、速見翼
COMICばく:つげ義春、近藤ようこ、末永史、やまだ紫

少年ビッグコミックに松田紘佳という作家が載っているが、この人のことを覚えていない。
WINGSとCOMICばくはマニア誌のカテゴリーになっていて、いわゆる美少女マンガはここに隔離されており、女性作家の見分けがつきかねたので他は省いたが、WINGSなどは生命線の長さを見てみたい、などと揶揄されている(とみながはるみって覚えていないのだけど。私は同人系出身になると性別に自信がなくなる)。あとガロが見つからないのだが、COMICばくについては女性作家に肩入れしていて売れ行き無視と書かれている。たぶんガロではこの頃女性作家が次々とデビューしており、同人誌っぽいなどと言われ(笑)古くからの女性蔑視的なファンをとまどわせていたはずである。

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2006年4月16日 (日)

1986年の少女・女性マンガ誌チェックリスト(一部)

図書館に返却しないといけないので、「マンガ批評宣言」の巻末に載っていた「全雑誌チェックリスト」の中から、少女・女性誌から記載されている作家だけを抜粋。なおこのリストの担当は少女・女性誌が岩田次夫、その他(エロ・ギャンブル雑誌まで含む)を阿島俊が担当している。

週マ:一条ゆかり、麻生いずみ、阿月裕、青沼貴子、岩館真理子、飯塚修子
別マ:くらもちふさこ、槇村さとる、いくえみ綾、紡木たく、聖千秋
ぶーけ:松苗あけみ、水樹和佳、吉野朔美、清原なつの、内田善美
りぼん:池野恋、本田恵子、佐々木潤子、萩岩睦美、小椋冬美、高橋由佳利
りぼんオリジナル:陸奥A子
週刊セブンティーン:宮脇明子、島津郷子、粕谷紀子
月刊セブンティーン:三谷美佐子、佐藤志保里、榛野なな恵、笈川かおる、坂井久仁江、原田智子
YOUNG YOU:倉持知子、小椋冬美、笈川かおる、秋本尚美
YOU:津雲むつみ、柴田あや子、福原ヒロ子、のがみけい、立原あゆみ、もりたじゅん
OFFICE YOU:市川ジュン、柴田あや子、樫みちよ、長浜幸子
週刊少女フレンド:西尚美、富永裕美、板本こうこ、伊藤千江、庄司陽子、大和和紀、竹原亜美
別冊フレンド:伊藤ゆう、真柴ひろみ、松本美緖、河村美久、小野弥夢
Juliet:上田美和、川名香津美、かやまゆみ、松沢あさみ
なかよし:あさぎり夕、松本洋子、竹田真理子、牧村ジュン、竹本泉、西原ちか
なかよしデラックス:高橋千鶴、さこう栄、佐藤まり子、曽祢まさこ、高階良子
ハローフレンド:巻野路子、そうだふみえ、石丸朋子
mimi:吉田まゆみ、おおの藻梨以、目白花子、風間すずめ、大和和紀、板本こうこ、前原滋子
mimiデラックス:里中満智子、森谷幸子、寺館和子
mimiカーニバル:吉田まゆみ
mimiエクセレント:大和和紀
Me:あまねかずみ、辻村弘子、伊万里すみ子、深見じゅん、内村月子、菊川近子
BE-LOVE:三原陽子、立原あゆみ、里中満智子、布浦翼、ごとう和、河あきら
BE-LOVEペア:夢野一子、伊万里すみ子、篠崎まこと、小橋もと子、立原あゆみ、布浦翼
週刊少女コミック:藤田和子、篠原千絵、さいとうちほ、すぎ恵美子、惣領冬実、竹宮恵子
別冊少女コミック:渡辺多恵子、川原由美子、秋里和国、赤石路代、吉田秋生、前田恵津子、香川祐美
コロネット:佐々木淳子、さいとうちほ、鈴木みや、北川みゆき
Judy:井上恵美子、河野やす子、ありさか邦、七草セリ
プチコミック:名香智子、佐伯かよの、小林博美、池田さとみ、牧野和子、石塚夢見、吉村明美
プチフラワー:萩尾望都、木原敏江、竹宮惠子、秋里和国、佐藤史生、高野文子
ちゃお:川原由美子、あだち充、三浦浩子、あらいきよこ、麻原いつみ、赤石路代、惣領冬実
FOR LADY:わたなべまさこ、池田理代子、ささやななえ、志賀公江、牧美也子、武田京子
花とゆめ:美内すずえ、和田慎二、、魔夜峰央、柴田昌弘、野間美由紀、日渡早紀、川原泉
花ゆめEPO:三原順、神坂智子、山内直美
LaLa:成田美名子、ひかわきょうこ、なかじ有紀、清水玲子、わかつきめぐみ、樹なつみ
Cindy:坂田靖子、高口里純
SERIE:島本真紀子、山本里美、石井幸子
Silky:酒井美和、高口里純、風間宏子
プリンセス:碧ゆかこ、細川知栄子、天城小百合、河名尚子、中山星香
ビバプリンセス:青池保子、山田ミネコ、中山星香、亜砂都優子、花郁悠紀子
ひとみ:細川知栄子、イケスミチエコ、英洋子、竹内ゆかり、みすとかずみ
デジール:イケスミチエコ、真崎春望、小森麻美
ボニータ:市東亮子、高階良子、長岡良子、あしべゆうほ、東宮千子、湯口聖子
Candle:笈川かおる、あしべゆうほ、東宮千子、長岡良子
Eleganceイブ:佐伯かよの、ごとう和、光崎圭
Bonita Eve:のがみけい、曽根富美子、長浜幸子
COLLET:笹原ひろみ、篠崎佳久子、松藤純子
Missy:しらいしあい、佐伯かよの、星合操、みやぎひろみ、奥友志津子
Comic Hi:しらいしあい、佐伯かよの、星合操、藤田素子、藤本さみ
Lovely Hi:秋月志穂、藤田素子、藤本さみ
Jour:風間宏子、久掛彦見、中原千束、ぬまじりよしみ、もんでんあきこ、まさき輝
ami Jour:長浜幸子、風間宏子、まさき輝、ぬまじりよしみ、もんでんあきこ、童夢梨乃
MAY:平田真貴子、久掛彦見、峰岸ひろみ、志賀公江、川崎ひろこ、原のり子
Dramatic メイ:平田真貴子、峰岸ひろみ、原のり子
comic VAL:里中満智子、平田真貴子、牧美也子
コミックルージュ:川崎三枝子、市川容子
La・Comic:北川玲子、呉山幸子、高井戸あけみ、瞳あきこ
Labien:呉山幸子、高井戸あけみ、高見亜紗
Loving:川崎三枝子、あきもと渚、呉山幸子
Cute:南部ひろみ、大谷てるみ、峰岸ひろみ、森村あすか
ソリティア:葛峰麻利子、佐々木みすず、BELNE
あすか:山岸涼子、高口里純、竹宮惠子、いがらしゆみこ、ささやななえ、美内すずえ
おまじないコミック:伊藤かこ、谷口恵美子、阿部ゆたか、原田清美
grape fruit:名香智子、鳥図明児、たらさわみち、坂田靖子、青池保子、高口里純、中山星香

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2006年4月15日 (土)

忘れられた80年代少女まんがの展望へ向けて

もう20年近く前に米沢嘉博氏が編集した「マンガ批評宣言」(1987)は最近加藤幹郎氏の所載論文が秋田孝広「コマからフィルムへ」でとりあげられるなど、当時のマンガ批評の集成としては非常に良質のものを集めていた。にもかかわらず私が最も興味を持ったのは、岩田次夫氏による巻末のマンガ雑誌評であった。伊藤剛氏「テヅカ・イズ・デッド」では「ぼくら語り」世代を批判したが、米沢氏や村上知彦・竹内オサムの「マンガ批評体系」のような仕事はマンガ評論なるものが世間に認知されていなかった頃に、マンガ批評本を出してもすぐに品切れになってしまって、今の批評家があまり省みることがないようにも思えるもので、こうした「ぼくら語り」とは対極にある批評集成の仕事をきちんと評価しておかないと片手落ちであろう。(品切れ本は残念ながら著作権の問題がなくても実物を写さないと載せられない)

「コマ」から「フィルム」へ マンガとマンガ映画 Book 「コマ」から「フィルム」へ マンガとマンガ映画

著者:秋田 孝宏
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テヅカ・イズ・デッド ひらかれたマンガ表現論へ Book テヅカ・イズ・デッド ひらかれたマンガ表現論へ

著者:伊藤 剛
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私が昔「マンガ批評宣言」を読んで岩田次夫氏のマンガ雑誌評が一番面白かったのは、マンガ体験というものが世代的なギャップを常に抱えていて、たまたま私にとってマンガ雑誌評が一番リアルタイムで共感したという面が大きかったと思う。あっけなく倒産したらしいぺんぎん書房の二上洋一「少女まんがの系譜」の評では、巻末のヤマダトモコ氏の年表ばかりが価値がある、といわれたが、その画期性は認めるものの、二上氏は「歴史書」を回避するそぶりを示しながらも、実際には里中満智子、一条ゆかりの功績を高く評価し、西谷祥子についてもこれまであまり語られなかったところまで踏み込んでいるのを見ると、ここにも世代のギャップを感じずにはいられない。そもそも「歴史」と「系譜」とではアプローチは異なるのである。

一方で竹内一郎「手塚治虫 ストーリーマンガの起源」のように、重要な先行書の業績をあっさり無視したような書籍が出版されて、あまり表立ってはいないものの物議をかもしている。私自身が日本マンガ学会に初めて研究報告を書いたとき、日曜マンガ研究にかまけて本業をおろそかにしていると言われるのを疎んじてペンネームを使いたいと言ったことがあったが、今考えてみれば、研究論文扱いでペンネームを使うのはおかしな話であった。したがって実名を使って投稿をした。二回目の発表をしたときも難航して本業に支障をきたして、レポートもやや不本意な出来となった。竹内氏の著作は学位論文として審査を通過したものが元になって書籍化されたものだというが、だとすればその審査はあまりにも甘いのではないか、と思わざるを得ない(まさか卒論ではあるまいが、博士論文だったか?)。

 

手塚治虫=ストーリーマンガの起源 Book 手塚治虫=ストーリーマンガの起源

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(これは読む気が起こらなかったのだが、安値で売ってくれる人とかいませんかね)

80年代以降のまんが史を書く、というのは少なくとも一人の力では無理だ。歴史とは史観がまずありきといったものであって、安易に教科書にするようなものではないだろう。私がとりあえず目指すのは私が見通せた限りでの「系譜」となる。

先に挙げた岩田次夫氏は、80年代初めまでは米沢氏の周辺で少女まんがの研究に関しては研究同人誌を主宰するなど中心的な存在であったが、コミケットの膨張に伴う頃、彼らのグループは少女まんがは今後停滞期に入ると結論し、同人誌のほうに関心を移してしまった。商業誌よりも同人誌のほうに誰もがより大きな可能性を感じていたのである。コミックマーケットの拡大とその成果は今のマンガ状況に大きく反映しているが、その一方で、80年代の商業作家は批評から見捨てられた、ともいえる。もっともおそらく出版社も批評に期待などしていなかったのだろうが。

 

Book 同人誌バカ一代―イワえもんが残したもの

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こちらのブログではないが、かつて自分は、えんどコイチとあきの香奈を知らずして80年代マンガは語れない、と啖呵を切った。まず既存の評論家が依拠してきた手塚中心史観、そしてその継承である24年組史観(さらには美少女同人誌からいまの萌えにいたるまで)とは異なる見方が可能なはずであり、その系譜をたどる必要性を感じている。
あすなひろし氏についてはたまたまみなもと太郎氏が彼の大ファンであったこともあって、少女クラブから少年チャンピオンまでをつなぐ存在として、その選集出版活動の現時点における成功はそれなりの下地があったのだが、80年代以降の作家については正直難しい。
なぜ「あきの香奈」なのか、といえば別にB級でもマイナー志向でもなく、はっきりした個性を持つとともに普通に作品の質が高かったのに、正当な評価がなされていない作家のなかでも、一番わかりやすい例といえるからだ。萩岩睦美「銀曜日のおとぎばなし」すらほんの一度短いブックレビューでしか取り上げられなかったのを見ていた身としては、今のマンガがレビューに取り上げられる頻度の高さというのは過去に比べればけっこう恵まれていることを念のため指摘しておきたい。

しかし現状ではあきの香奈一人ではどうしても限界に突き当たらざるを得ない(まず絵がわからないとどうにもならないのだが)。ガロ系のような盲点についても今後紹介していくだろう。とにかく岩田氏などに見捨てられたともいえる80年代の少女まんがの系譜をざっくりと作る必要があるが、私はできるだけいろいろな雑誌を読むためにみんなが読んでいた白泉社系の雑誌を読まずにきたのが現在になってネックである。そこを補完するためにブログを立ててみた。というわけで協力が得られることを望んでいます。どうぞよろしくのほどを。

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